生命保険のための医学知識

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慢性気管支炎(マンセイキカンシエン)

痰を伴った咳が2年以上の長期間にわたって出ている病態いい、慢性気管支炎と肺気腫の両者をあわせて慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease; COPD)と呼びます。原因としては、長期の喫煙・大気汚染・粉塵・刺激性のガスなどの環境要因や体質などがあげられ、また、慢性副鼻腔炎の合併症として発生することもあります。COPDを発病する人の90%が喫煙者であることから、欧米では別名たばこ病とも呼ばれています。

日本呼吸器学会の「COPD慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第3版」(2009)によると、次のように定義されます。

COPDとは、たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することで生じた肺の炎症性疾患である。呼吸機能検査で正常に復すことのない気流閉塞を示す。気流閉塞は末梢気道性病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。臨床的には徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰を特徴とする」

閉塞性肺疾患の1つである気管支喘息ともCOPDの病態が似ていますが、気管支喘息ではアレルギーを主病因とし、可逆的で好発年齢が若年である点で異なります。