生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

老人性角化症(ロウジンセイカクカショウ)

中年以降に発生し、加齢と共に増加する皮膚の良性腫瘍で、皮膚の老化現象のひとつです。 遺伝的要因や日光による露出部の皮膚の老化が誘因と考えられています。掌・足裏以外の皮膚で全身どこにでも発生し、とくに顔面・頭部・前胸部・背部によくみられます。…

脳動静脈瘻(ノウドウジョウミャクロウ)

動静脈瘻とは、動脈と静脈との間にできた異常な連絡通路のことで、先天性と後天性があります。典型的な原因はナイフや弾丸による貫通性のけがです。その他、腎臓透析などの治療で針を繰返し刺す場合、静脈破壊を防止する為に意図的に形成させる場合もありま…

膀胱炎

膀胱炎とは、主として細菌感染によって生じる膀胱粘膜の炎症をさします。尿道からの上行性感染で、大腸菌などのグラム陰性桿菌によって起こります。性的活 動期の女性に多くみられます。性交が膀胱炎の原因になるのは、性交によって尿道が傷つき細菌が尿道を…

尋常性白斑(ジンジョウセイハクハン)

後天的に全身の皮膚の色素の一部が脱色する病気です。限局型・汎発型・神経分節型の3種類があり、限局型は身体の一部に白斑が認められるもの、汎発型は全身のあちこちに白斑が認められるもの、神経分節型はある神経の通り道に沿って白斑が認められるもの、…

網膜裂孔(モウマクレッコウ)

網膜に穴や亀裂が入る症状で、たんに網膜に穴があいた状態のため、特に視力の低下は現れません。しかし、網膜裂孔が進行すると網膜剥離になるので、早期治療が必要となります。治療はレーザー光凝固療法などが行なわれ、外来治療できます。中高年場合、眼球…

網膜中心動脈閉塞症(モウマクチュウシンドウミャクヘイソクショウ)

網膜の動脈が詰まる病気です。症状は閉塞部位により異なり、視野欠損・急激な視力低下・失明などが起こりますが、網膜の虚血状態は1~2時間で壊死を起こすため早期治療が必要です。網膜動脈の動脈硬化・血栓・炎症などが直接原因ですが、いずれも心臓病や…

網膜中心静脈閉塞症(モウマクチュウシンジョウミャクヘイソクショウ)

網膜の静脈が詰まって出血を起こす病気で、50歳以上に好発し片目に現れます。最も多い原因は高血圧で、その他に動脈硬化も原因となります。症状は視野欠損・視界の歪みなどが多いですが、無症状の場合もあり、眼底検査・蛍光眼底撮影で診断されます。黄斑部…

縦隔腫瘍(ジュウカクシュヨウ)

縦隔内に発生した腫瘍をいい、上縦隔には甲状腺腫が、前縦隔には胸腺腫と奇形腫、中縦隔にはリンパ性腫瘍・気管支嚢腫・心膜嚢腫が、後縦隔には神経性腫瘍が発生しやすくなっています。発生年齢も悪性度も良性からがんまで多様です。発生頻度は胸腺腫が最も…

脂肪腫(シボウシュ)

皮下脂肪組織が局所的に増殖したもので、良性腫瘍の一種です。痛みのない瘤として意識され、長期間にわたり徐々に大きくなります。症状は全く無く、化膿することもありません。比較的4~50代女性に多く、大部分が単発性で好発部位は背中・肩・臀部周辺の皮下…

膣カンジタ症(チツカンジタショウ)

膣や外陰部に炎症を起こす膣炎または外陰膣炎の一種で、真菌類のカンジダ菌の感染によって起こります。主症状は、外陰部の強度のかゆみやただれで、悪化すると白いチーズ状のおりものが増加し膣内から膣口、小陰唇や大陰唇にまで拡がることもあります。原因…

粉瘤(フンリュウ)

新陳代謝によって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚内部に溜まることによりできる良性の嚢胞性病変の総称で、表皮嚢胞・類表皮嚢胞とも呼ばれます。真皮層に入り込んだ表皮細胞は袋状の壁を形成し、その中に垢などの老廃物蓄積され、徐々に大きく…

結節性紅斑(ケッセツセイコウハン)

皮下の脂肪組織に炎症が起こる皮膚疾患です。下腿に硬いしこりと圧痛をともなう不規則な型の紅斑が多発します。原因は、ウイルスや細菌などの感染によるアレルギーが原因と考えられています。その他、薬剤、悪性腫瘍、ベーチェット病、結核、サルコイドーシ…

疥癬(カイセン)

ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症で、湿瘡・皮癬ともいいます。病型は1000匹程度の寄生によって発症する通常疥癬と、免疫力低下時に100万匹~1000万匹と非常に多数の寄生によって発症する角化型疥癬があります。約1~2ヵ月の潜伏期間ののち発症し、強度のか…

ウイルソン病(ウイルソンビョウ)

先天性銅代謝異常により、肝・脳・腎・眼など体内諸臓器に銅が沈着することによって生じる病態を言います。13番染色体長腕にある銅輸送の遺伝子異常で、 常染色体劣性遺伝です。肝臓における血清蛋白の一つであるセルロプラスミンの合成障害が原因です。セル…

肛門がん(コウモンガン)

肛門の入り口から約3cmにわたる肛門管に生じるがんを総称して、肛門がんといいます。大腸がんと比較し頻度は4%%程度となります。原因は解明されていませんが、コンジローマ・パピローマウイルス感染、複雑痔ろう等が関係すると考えられています。主な症状…

びまん性甲状腺腫(ビマンセイコウジョウセンシュ)

甲状腺機能亢進症状や低下症状の症状や腫瘍(結節)がなく、単に甲状腺が腫脹している場合を言います。血中甲状腺ホルモン量は、甲状腺の組織の代償性肥大で殆どが正常です。症状は甲状腺組織がびまん性腫脹をしており、稀ですが腫張が大きくなると気管や食…

亜急性甲状腺炎(アキュウセイコウジョウセンエン)

亜急性甲状腺炎は、ウイルス感染によると推定される原因不明の甲状腺炎で、濾胞崩壊による甲状腺ホルモンの血中放出により、一過性の甲状腺機能亢進状態を呈する病態です。30~40歳代女性に多いです。感冒様前駆症状に続き、圧痛を伴う甲状腺腫があり、結節…

脳炎

脳炎とは脳の実質に炎症が起こる病気です。主にウイルス感染による急性ウイルス性脳炎が多いです。インフルエンザ脳炎、ヘルペス脳炎、日本脳炎、ウエストナイル熱脳炎などが知られています。特異的治療自体存在しない感染症がほとんどです。しかしときにウ…

EBウイルス感染症

EBウイルスは、ヒトヘルペスウイルスγ亜科に属する2本鎖線状DNAウイルスです。主に唾液を介して感染します。初感染例では、多くが無症状で経過します。このウイルスが原因で発症する疾患には、伝染性単核球症、慢性活動性EBウイルス感染症、バーキットリンパ…

子宮がん(シキュウガン)

子宮がんは比較的若い女性に多い子宮頸がんと、年配に多い子宮体がんに分かれます。初期症状は現れにくく子宮体がんは不正出血、子宮頸がんは不正性器出血・帯下の増加などがあり、進行がんでは下腹部痛・腰痛・下肢痛や血尿・血便・排尿障害が現れます。転…

咽頭がん(イントウガン)

咽頭がんは上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分かれます。原因としてEBウイルス・アルコール・たばこ、食物・環境因子などの因果関係が報告されています。上咽頭がんでは頸部腫瘤と耳症状が最も多い症状です。中・下咽頭がんでは咽頭痛・嚥下痛、嗄声…

りんご病(リンゴビョウ)

子供によく見られる病気で、正式名は伝染性紅斑といいパルボウイルスB19によって起こる病気です。始めに頬がりんごのように赤くなり、その後手足に赤い発疹が出て、時に体中に広がり、紅斑の出現・消失が3~4週間程度続きます。紅斑が出る1週間~10日前に微…

水疱瘡(ミズボウソウ)

水痘ウイルスが口から空気感染してうつるウィルス性の疾患です。2才~10才くらいまで幼児に多い病気で、感染力が強く、飛沫感染により広がるため次々と兄弟等の周囲に感染します。潜伏期間は2週間前後です。症状は2~5㎜の赤い水疱生の発疹が頭部や躯幹に…

はしか(ハシカ)

麻疹ウイルスの感染により起こる病気です。潜伏期は10日~12日で、感染力は発疹出現後5日目くらいまで続きます。軽度~中程度の発熱とともに咳、鼻汁、めやにがみられ、3~5日間続きます。その後、コプリック斑と呼ばれる口腔内に細かな白色の発疹がみられま…

甲状腺がん(コウジョウセンガン)

甲状腺がんは甲状腺の上皮細胞由来の悪性腫瘍で、30歳代から50歳代の女性に多いです。しこりがあるだけで、ほかには何も自覚症状がないのが特徴で す。甲状腺腫のうち結節性甲状腺腫の1つです。病理組織学的に次の4つに分類されます。乳頭癌、濾胞癌、髄様…

耳鳴り(ミミナリ)

実際には音がしていないのにも関わらず、何かが聞こえるように感じる現象です。難聴とともに出現することが多く、軽い不快感から、不眠・うつ状態など大小のストレスを引き起こします。耳鳴りは本人にしか聞こえない自覚的耳鳴と、聴覚の異常ではなく耳の周…

めまい(メマイ)

めまいは目が回るようなくらくらとした感覚の総称で、眩暈・目眩・眩冒などと書きます。視覚、平衡感覚と固有感覚の不統合によって生じる感覚と言われています。三半規管・前庭神経・脳幹の異常など前庭神経核より末梢の障害で生じる回転性めまい、回転性め…

高血圧(コウケツアツ)

収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上に保たれた状態をいいます。高血圧自体の自覚症状はほとんどありませんが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクがあります。計測する時間帯には正常値でも、その他の時間に高血圧になる仮面高…

HELLP症候群(ヘルプショウコウグン)

妊娠中毒症の一部で、特に肝臓が侵され溶血・肝酵素の上昇・血小板減少の症状が出現します。肝内あるいは肝被膜下出血のおそれがあり、重症な妊娠中毒症のため母児ともに危険となります。症状は突然の上腹部痛や心窩部痛、疲労感・倦怠感・嘔吐・食欲低下な…