生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

糞線虫症(フンセンチュウショウ)

糞線虫は、熱帯から温帯にかけて広く分布している長さ2mmほどの糸くずのような虫です。土壌中にいる幼虫が皮膚から入り小腸上部の粘膜に寄生します。寄生数が少ないと症状はありませんが、増加すると下痢・腹痛、重症になると吸収障害・体重減少・むくみが出…

レーバー遺伝性視神経萎縮症(レーバーイデンセイシシンケイイシュクショウ)

レーバー遺伝性視神経萎縮症とは、視神経萎縮の原因のうちミトコンドリア遺伝子異常によるものをいいます。ミトコンドリア遺伝子は母系遺伝です。網膜で感じた光を神経の刺激として脳へ伝達する視神経組織は、神経細胞の軸(軸索)とそれを支持する細胞が主…

マクロアミラーゼ血症(マイクロアミラーゼケッショウ)

血清アミラーゼのみ高値となる状態で、マクロ型という分子が巨大化した変異種のアミラーゼのことをいいます。マクロアミラーゼとはアミラーゼに免疫グロブリンがくっついたものです。分子が巨大化したため、腎臓(糸球体)を容易に通過できなくなり、血中ア…

パラガングリオーマ(パラガングリオーマ)

副腎髄質からカテコ-ルアミンと呼ばれる血圧を上昇させるホルモンを多量に分泌する腫瘍を褐色細胞腫といい、その中でも副腎髄質以外の傍神経節から発生する腫瘍をパラガングリオ-マと呼びます。カテコールアミンの上昇に伴い、続発性もしくは発作性高血圧…

トルーソー症候群(トル-ソ-ショウコウグン)

トルーソー(Trousseau)症候群とは、潜在性の悪性腫瘍の遠隔効果により神経症状を生じる傍腫瘍性神経症候群の一つで、悪性腫瘍に伴う血液凝固亢進により脳卒中症状を生じる病態です。そのため疾患の治療と抗凝固療法が必要となります。 原因となる悪性腫瘍は…

僧帽弁狭窄症(ボウソウベンキョウサクショウ)

僧帽弁狭窄症は心疾患の一種で、左房と左心室の間にある僧帽弁口の狭窄により左心房から左心室へ血液が流れにくくなる疾患です。ほとんどが小児時期や若年期のリウマチ熱の後遺症として起こります。慢性・発作性心房細動、脳塞栓症、感染性心内膜炎など様々…

大動脈弁狭窄症(ダイドウミャクベンキョウサクショウ)

大動脈弁狭窄症とは、左心室の出口にあり、半月形の弁尖が3枚あわさった形をした大動脈弁が、開放が制限されて狭くなった状態をいいます。先天性2尖弁、加齢性大動脈弁狭窄症、リウマチ性大動脈弁狭窄症があります。心雑音や左室肥大など心電図異常により発…

大動脈二尖弁(ダイドウミャクニセンベン)

大動脈二尖弁とは、本来3枚ある大動脈弁が、生まれつき2枚しかない状態のことをいいます。100人に1人から2人の割合で発生するといわれており、診断されてもこれ自体は直ちに治療が必要ではなく、大半は全く症状を呈することなしに生涯を送ります。し…

高血圧緊急症

高血圧緊急症とは、血圧の著しい上昇により、脳・心臓・腎臓などの急性の臓器障害をきたすか、それが進行しつつある状態です。たとえば、高血圧性脳症や急性大動脈解離に合併した高血圧、肺水腫を伴う高血圧性左心不全、重症高血圧を伴う急性冠症候群、進行…

LOH症候群(エルオーエイチショウコウグン)

LOH症候群とは、加齢によるテストステロン(男性ホルモン)の減少によりおこる性腺機能低下症で、男性更年期障害とも呼ばれています。精神症状として健康感の減少、うつ、不眠、記憶力・集中力の低下などがあり、身体症状として筋力低下、疲労感、ほてり、め…

特発性両側性感音難聴(トクハツセイリョウガワセイカンオンナンチョウ)

進行する両側性感音難聴のうち原因不明のものをいいます。左右の難聴の程度が異なることもあり、また、進行の程度も急激に進行する場合や徐々に段階的に進行する場合もあります。多くの場合、随判症状として耳鳴りを伴い、難聴が両側に生じるためのコミュニ…

食道裂孔ヘルニア(ショクドウレッコウヘルニア)

食道裂孔ヘルニアとは、食道が通る横隔膜に開いている食道裂孔に、胃がはみ出してくる状態をいいます。大半は滑脱型で、胃がまっすぐはみ出ており、症状が出ることは少ないですが、逆流性食道炎などの合併症を併発しやすくなっています。傍食道型は胃の一部…

掌蹠膿胞症性骨関節炎(ショウセキノウホウショウセイコツカンセツエン)

掌蹠膿胞症性骨関節炎とは、掌蹠膿疱症とともに、骨の石灰化・ 関節の癒着などをきたす病気です。掌蹠膿疱症のうち約4割におこります。そのうち約8割はまず胸骨・鎖骨・肋骨に起こり、骨盤・脊椎、まれに膝関節・大腿骨・下顎骨に起こります。関節炎の程度は…

新生児ループス症候群(シンセイジループスショウコウグン)

新生児ループす症候群とは、母親の自己抗体が胎盤を介して、胎児および新生児に障害をあたえる後天性の自己免疫症候群です。主な症状としては心臓の伝導障害・皮膚症状・肝機能障害・血液障害などがあります。心症状以外の症状は、一過性かつ可逆的な障害で…

CINCA症候群

CINCA症候群(Chronic infantile neurological cutaneous and articular syndrome; CINCA)とは、慢性乳児神経皮膚関節炎症候群といい、自己炎症性疾患の一つです。持続性の発疹がみられ、頻繁に生じる発熱により発疹が悪化することが多く、多数の炎症性疾患の…

ORIF

ORIF(open reduction and internal fixation)とは、日本語で観血的整復固定術の意味です。観血的整復固定術とは、皮膚を切開し、骨をワイヤー、プレート、スクリューなどの内固定具で骨を直接固定する方法です。骨折が重度の場合や、安定性が悪く整復困難で…

単純X線検査

単純X線検査とは、主に胸部や骨、軟部組織を調べるときに使う検査で、人体にX線を照射して写真を撮ります。人体は組織によってX線の透過率が異るため、人体を透過したX線の量を白黒の写真として表します。乳がんのマンモグラフィ検査もこの単純X線検査の一…

造影X線検査

X線造影検査とは、単純X線検査では写りにくい体の部分に、造影剤を注入して画像を撮影する検査です。主に消化管、腎臓、腎盂、尿管、血管などの検査時に使用されます。X線造影検査には、上部消化管である、食道・胃・十二指腸に行う「上部消化管造影検査」、…

超音波検査

超音波検査とは、プローブから超音波を発信してその反射波をコンピューターで画像化する検査方法です。基本的に超音波は液体・固体がよく伝わり、気体は伝わりにくいため、実質臓器の描出能が高く、肺・消化管の描出能は低くなっています。腹部超音波検査は…

CT検査

CT検査とは、身体にエックス線を照射し、通過したエックス線量の差をデータとして集め、コンピューターで処理することによって身体の内部を画像化する検査です。身体の組織や臓器によって、また病変部位と正常部位とでエックス線の透過性が異なるため、こ…

MRI検査

MRI(Magnetic Resonanse Imaging;磁気共鳴画像)検査とは、X線撮影やCTのようにX線を使うことなく、強い磁場を発生させて水素原子の振動から身体の断面を撮影する検査です。体内の水素原子が持つ弱い磁気を、強力な磁場でゆさぶり、原子の状態を画…

PET検査

PET検査はがんを検査する方法の一つで、Positron Emission Tomography(陽電子放射断層撮影)の略です。PET検査では、がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む、という性質を利用します。ブドウ糖に近い成分(FDG)を体内に注射し、しばらくし…

血管造影検査

X線不透過物質であるヨード造影剤を使用して血管の形態、血流状態を連続的に撮影することにより、動脈あるいは静脈の病変を診断する検査法です。先天性心疾患、血管性病変の診断や、脳、肺、肝臓、腎臓および四肢などの腫瘤性病変の診断などを目的に行われ…

核医学検査

核医学検査とは、アイソトープという弱い放射能を発生する物質を注射して撮影する画像検査です。このアイソトープが体内に入ると、骨や腫瘍など特定の臓器に集まりそこから放射線を発します。この放射線をガンマカメラ(シンチカメラ)という特殊なカメラで…

FPSクラブ

不安定狭心症

不安定狭心症とは、過去3週間以内に発症または憎悪した狭心症、あるいは安静時に胸痛発作のみられる狭心症です。

急性冠症候群(キュウセイカンショウコウグン)

急性冠症候群(acute coronary syndrome)は、急性冠動脈閉塞により引き起こされる一群の病態をさします。その結果は閉塞の程度によって異なり、不安定狭心症(unstable angina、急性冠不全、心筋梗塞前狭心症、中間症候群)から非ST上昇心筋梗塞(NSTEMI、心内膜…