生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

高血圧緊急症

高血圧緊急症とは、血圧の著しい上昇により、脳・心臓・腎臓などの急性の臓器障害をきたすか、それが進行しつつある状態です。たとえば、高血圧性脳症や急性大動脈解離に合併した高血圧、肺水腫を伴う高血圧性左心不全、重症高血圧を伴う急性冠症候群、進行性腎障害、褐色細胞腫クリーゼ、子癇、眼底出血などです。これらの急性の臓器障害がしているため、入院のうえ直ちに経静脈的降圧治療を開始する必要があります。一般に血圧値は、180/120mmHg以上となります。

高血圧緊急症の場合、臓器障害や血管病変を有しているため、必要以上の急速で過剰な降圧は危険です。というのも、臓器灌流圧の低下により脳梗塞、皮質黒内障、心筋梗塞、腎機能障害の進行などの虚血性障害を引き起こす可能性が高いからです。ICUに準じた環境下で、徐々に血圧を下げて行きます。