生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

大動脈二尖弁(ダイドウミャクニセンベン)

大動脈二尖弁とは、本来3枚ある大動脈弁が、生まれつき2枚しかない状態のことをいいます。100人に1人から2人の割合で発生するといわれており、診断されてもこれ自体は直ちに治療が必要ではなく、大半は全く症状を呈することなしに生涯を送ります。しかし、大動脈の弁尖が2枚のため弁の開閉時にかなりの力が弁尖にかかり、長期的には弁が壊れやすくなります。そのため中年期以降に弁が開かず狭くなる大動脈弁狭窄症や、弁が逆流する大動脈弁閉鎖不全症を発症することがあります。本症の発症は単一の遺伝子変異ではなく、多因子の変異によって生じると考えられています。