生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

循環器

僧帽弁狭窄症(ボウソウベンキョウサクショウ)

僧帽弁狭窄症は心疾患の一種で、左房と左心室の間にある僧帽弁口の狭窄により左心房から左心室へ血液が流れにくくなる疾患です。ほとんどが小児時期や若年期のリウマチ熱の後遺症として起こります。慢性・発作性心房細動、脳塞栓症、感染性心内膜炎など様々…

大動脈弁狭窄症(ダイドウミャクベンキョウサクショウ)

大動脈弁狭窄症とは、左心室の出口にあり、半月形の弁尖が3枚あわさった形をした大動脈弁が、開放が制限されて狭くなった状態をいいます。先天性2尖弁、加齢性大動脈弁狭窄症、リウマチ性大動脈弁狭窄症があります。心雑音や左室肥大など心電図異常により発…

大動脈二尖弁(ダイドウミャクニセンベン)

大動脈二尖弁とは、本来3枚ある大動脈弁が、生まれつき2枚しかない状態のことをいいます。100人に1人から2人の割合で発生するといわれており、診断されてもこれ自体は直ちに治療が必要ではなく、大半は全く症状を呈することなしに生涯を送ります。し…

高血圧緊急症

高血圧緊急症とは、血圧の著しい上昇により、脳・心臓・腎臓などの急性の臓器障害をきたすか、それが進行しつつある状態です。たとえば、高血圧性脳症や急性大動脈解離に合併した高血圧、肺水腫を伴う高血圧性左心不全、重症高血圧を伴う急性冠症候群、進行…

不安定狭心症

不安定狭心症とは、過去3週間以内に発症または憎悪した狭心症、あるいは安静時に胸痛発作のみられる狭心症です。

急性冠症候群(キュウセイカンショウコウグン)

急性冠症候群(acute coronary syndrome)は、急性冠動脈閉塞により引き起こされる一群の病態をさします。その結果は閉塞の程度によって異なり、不安定狭心症(unstable angina、急性冠不全、心筋梗塞前狭心症、中間症候群)から非ST上昇心筋梗塞(NSTEMI、心内膜…

高血圧(コウケツアツ)

収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上に保たれた状態をいいます。高血圧自体の自覚症状はほとんどありませんが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクがあります。計測する時間帯には正常値でも、その他の時間に高血圧になる仮面高…

肺動脈弁狭窄症(ハイドウミャクベンキョウサクショウ)

右心室から肺動脈が出ており、その付け根の弁(肺動脈弁)が狭く右心室の圧が上がる疾患です。通常は何も症状はありませんが、右心室の圧が上がりすぎると障害が起こり治療が必要になります。中年以降では、疲労しやすいなどの症状が現れたり、放置すると運…

右胸心(ウキョウシン)

心臓が体の右側にある状態です。全部の内臓が左右逆になっている全内臓逆位、心臓だけが左右逆になっているものや、無脾(多脾)症候群に伴うもの、心臓が右側に極端に寄ってしまったものなどがあります。通常、右胸心のみでは症状はなく、合併する心奇形に…

遺伝性出血性毛細血管拡張症(イデンセイシュッケツセイモウサイカンカクチョウショウ)

管形成に異常があるため、血管がもろくなって出血しやすくなる遺伝病です。皮膚の下の血管が破れて、赤や紫色の小さな変色部位が生じ、特に顔、唇、口や鼻の中、手足の指の先に現れます。また、消化管、尿路、脳、脊髄などの毛細血管でも出血を起こすことも…

アイゼンメジャー症候群(アイゼンメジャーショウコウグン)

肺高血圧があるために静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが出現するに至った状態をいいます。心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存など、通常は動脈血が静脈側に流れ込む疾患の人が、肺高血圧が徐々に高度となり、静脈血の一部が動脈側に流れ込むよう…

高安動脈炎(タカヤスドウミャクエン)

大動脈とその主要分枝や肺動脈、冠動脈に閉塞性または拡張性病変をきたすことから、大動脈炎症候群ともいわれます。さまざまな症状が現れます。原因不明ですが、女性ホルモン、ウイルス、遺伝要因などが考えられています。発熱、めまい、失神発作、頸部痛、…

感染性心内膜炎(カンセンセイシンナイマクエン)

心臓の弁膜を中心とした内膜に病原体が定着し、そこで増殖して疣贅(いぼ)を形成して周辺の組織を破壊していく疾患です。心臓基礎疾患によって心内膜が傷つけられ、そこに病原体が付着・繁殖することが原因と考えられています。発熱、全身倦怠感、易疲労感…

心臓弁膜症(シンベンマクショウ)

心臓にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態をいいます。弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる狭窄と、弁の閉じ方が不完全なために血液が逆流してしまう閉鎖不全があり、大動脈弁と僧帽弁に多く起こります。弁膜症の原因には、先天性…

WPW症候群(ダブルピーダブルショウコウグン)

WPW症候群(Wolf-Parkinson-White syndrome)は、不整脈(頻脈)を生じる心臓病の一つで、Kent束と呼ばれる副伝導路が存在することによって、リエントリー回路を形成することで生じてきます。通常は 洞結節から発した電気信号が心房を経由して心室へと伝達され…

川崎病(カワサキビョウ)

全身の中小動脈の炎症を起こす原因不明の病気で、何らかの感染症が引き金になって、血液中にサイトカインと呼ばれる化学物質が増え、いろいろな症状が起こると考えられています。主に4歳以下の乳幼児がかかり、初期は急性熱性疾患として全身の血管壁に炎症…

心膜炎(シンマクエン)

心膜に炎症を起こす感染症(ウィルス・細菌・寄生虫・真菌など)やその他の病気が原因で引き起こされます。発熱と左肩や左腕までひろがるように感じる、心臓発作の痛みに似た胸痛を引き起こし、フィブリン・赤血球・白血球などの血液成分や体液が心膜腔にた…

狭心症(キョウシンショウ)

発作的に、胸の痛みや圧迫感などの症状を起こす病気です。発作の起こり方・原因などにより、労作性狭心症・安静狭心症、器質型狭心症・異型狭心症、安定狭心症・不安定狭心症のように分類されます。心臓の冠動脈の血管内腔が狭くなり、心筋に十分な血流・酸…

心筋梗塞(シンキンコウソク)

狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により、冠動脈の動脈硬化で血管の内腔が狭くなり、血流が制限されて心内膜側の心筋が壊死に陥ることをいいます。動脈硬化を進行させる危険因子は、高コレステロール血症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、痛風、運動不足、…

ブルガダ症候群(ブルガダショウコウグン)

ブルガダ症候群(Brugada syndrome)とは、突然に「心臓けいれん」ともいえる致死的な不整脈である心室細動をきたし、失神を起こしたり、時に突然死にもつながると考えられている原因不明の心臓病です。突然に心室細動が出現し、何の兆候もなく突然失神をきた…

ファロー四徴症(Tetralogy of Fallot;TOF)(ファローシチョウショウ)

ファロー四徴症(Tetralogy of Fallot;TOF)は、大きい心室中隔欠損があり、右心室の出口(漏斗部)が狭い先天性心疾患です。肺動脈狭窄(漏斗部狭窄)、心室中隔欠損、右心室肥大、大動脈騎乗の4つの奇形を合併していることにより、全身に送られる動脈血に…

腸間膜リンパ節炎

腸間膜リンパ節炎は、主に回盲部付近の腸管膜リンパ節の非特異的炎症です。種々の感染症(腸管の感染症、風邪などの上気道感染症)などで起こり、発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの急性虫垂炎に良く似た症状を呈します。 血液検査では、CRP高値、白血球増多、…

僧帽弁閉鎖不全症(ボウソウベンヘイサフゼンショウ)

心臓の左心室の入り口に位置する弁が正しく閉じることができず、逆流をきたすようになる疾患です。軽度の場合は心臓超音波検査での機能の低下、疲れやすい、動悸・息切れがするといった自覚症状があり、重度では肺のうっ血、水腫が認められます。心臓への過…

心房細動(シンボウサイドウ)

心房が洞房結節の刺激によらずに速く部分的に興奮収縮し、規則的な洞房結節の活動が伝わらず、心室の収縮が不規則な間隔で起こる状態をいい、不整脈の一種です。心房細動を起こす基礎疾患には、心房負荷を起こす疾患(僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症、心房中隔欠…

アダムス・ストークス症候群(アダム・ストークスショウコウグン)

急に発生した極端な徐脈・心停止・頻脈のために、心臓から脳への血液の供給が大きく低下したり停止して、脳の酸素低下を来した状態をいいます。脳の虚血 症状が突然に現れ、程度は徐脈では心臓が停止している時間の長短に、頻脈では脈拍数と頻脈持続時間によ…

LGL症候群(Lown‐Ganong‐Levine syndrome)(エルジーエルショウコウグン)

LGL症候群(Lown‐Ganong‐Levine syndrome)は、洞結節で生成された刺激信号の伝導経路の中で、本来なら興奮を遅延して伝達するべき房室結節部をバイパスする副伝導路ができてしまい、興奮が本来の伝導 路を経由せず、短時間で短絡的に副伝導路を通過して…

特発性拡張型心筋症(トッパツセイカクチョウガタシンキンショウ)

原因不明の心筋疾患であり、著しい心筋の肥大を形成する肥大型心筋症と、心内腔の著明な拡大と高度な収縮不全を呈する拡張型心筋症に分けられます。その うち拡張型心筋症は、心筋収縮と左室内腔の拡張を特徴とする疾患です。左心不全による低心拍出状態と肺…

心室中隔欠損症(シンシツチュウカクケッソンショウ)

左右心室の間にある心室中隔に欠損孔が認められる病気です。血液の一部分が左心室から欠損孔を通り、右心室を通って肺に流れるため、欠損孔を通る血液の分が肺に多く流れ、心臓に負担をかけます。この余分な血液が多いほど早く症状が現れ、手術等の治療が必…

心房細動(シンボウサイドウ)

心房が洞房結節の刺激によらずに速く部分的に興奮収縮し、規則的な洞房結節の活動が伝わらず、心室の収縮が 不規則な間隔で起こる状態をいい、不整脈の一種です。心房細動を起こす基礎疾患には、心房負荷を起こす疾患(僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症、心房中隔欠…

弁置換術(K555)

働きの悪くなった心臓の弁を切除し人口弁を挿入する手術です。人口弁には大きくわけて機械弁と生体弁がありそれぞれ長所短所があります。機械弁は耐久性に優れ一生涯の使用も可能です。一方で弁に血栓ができやすく血液を固まりにくくする薬を服用し続けなけ…