生命保険のための医学知識

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腸間膜リンパ節炎

腸間膜リンパ節炎は、主に回盲部付近の腸管膜リンパ節の非特異的炎症です。種々の感染症(腸管の感染症、風邪などの上気道感染症)などで起こり、発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの急性虫垂炎に良く似た症状を呈します。

 血液検査では、CRP高値、白血球増多、赤沈亢進(赤血球沈降速度)などの炎症反応も観察されます。それゆえ急性虫垂炎と判断され、手術を受けることが多いのですが、虫垂切除を目的として開腹手術をしてみると、実は虫垂は正常で腸間膜に発赤腫脹したリンパ節を認めることで腸間膜リンパ節炎と判明します。

 臨床症状からでは、腸間膜リンパ節炎と急性虫垂炎との鑑別は困難です。腸間膜リンパ節炎の頻度は、虫垂炎手術例の10%と従来いわれてきましたが、高周波ハーモニック装置の導入により、今後の腸間膜リンパ節炎の症例数は増加すると思われます。腸間膜リンパ節炎の確定診断とされるリンパ節のサイズと数は「5mm以上3個以上」とされています。