生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

類乾癬(ルイカンセン)

類乾癬とは、尋常性乾癬に似ていて乾癬でないという意味で、発疹部に集まっている白血球のタイプの違いのみであり、発疹表面だけでは区別はつきません。発疹の大きさにより、滴状類乾癬と局面状類乾癬に分類されており、局面性類乾癬は鱗屑を伴う紅斑ないし…

妊娠悪阻(ニンシンオソ)

妊娠という特殊な状況が体のなかに生じたために体が起こす反応であり、妊娠性のホルモンが関係していると考えられます。体のだるさ、吐き気、嘔吐の消化器症状が主に現れ、その他に頭痛・下痢などを伴うこともあり、体が妊娠の状態に慣れてくると治まります。

外傷性頸部症候群(ガイショウセイケイブショウコウグン)

一般にはむち打ち症と呼ばれており、胴体の上に不安定な状態で乗っている頭部が、強い衝撃により軀幹とは別のS字形の動きを強いられた為に様々な症状が出現する疾患です。首筋・背中・肩のこりや痛み、耳鳴り・頭痛・めまい・吐き気などの不定愁訴が出現す…

びまん性汎細気管支炎(DPB)(ビマンセイハンサイキカンシエン)

気道と肺胞の境界にあたる呼吸細気管支を中心に慢性の炎症が起こる病気です。原因不明ですが、慢性副鼻腔炎を合併しやすく、気道の防御機構に関連する遺伝子や体質的要因の関与が考えられています。症状は慢性の痰、咳、労作時の息切れで、病状が進行すると…

肺動脈弁狭窄症(ハイドウミャクベンキョウサクショウ)

右心室から肺動脈が出ており、その付け根の弁(肺動脈弁)が狭く右心室の圧が上がる疾患です。通常は何も症状はありませんが、右心室の圧が上がりすぎると障害が起こり治療が必要になります。中年以降では、疲労しやすいなどの症状が現れたり、放置すると運…

うつ病(ウツビョウ)

症状は、1.はっきりとした原因なく深いうつに陥って抜けだせないうつ気分、2.集中力・決断力・性欲の低下、行動の遅滞など生命エネルギーの減退による意欲・行動の障害、3.思考の抑制や自分・社会・将来に対しての悲観的な考え方が多くなる思考障害、…

ウエスト症候群(ウエストショウコウグン)

発作の抑制が困難で、知能障害、運動障害をともなう事が多い小児の代表的な難治てんかんで、症候性全般てんかんに分類されています。発作の出現に伴って精神活動が鈍くなり、顔の表情が消え、周囲に関心を示さなくなり、発達は多くの場合は退行し、予後も悪…

右胸心(ウキョウシン)

心臓が体の右側にある状態です。全部の内臓が左右逆になっている全内臓逆位、心臓だけが左右逆になっているものや、無脾(多脾)症候群に伴うもの、心臓が右側に極端に寄ってしまったものなどがあります。通常、右胸心のみでは症状はなく、合併する心奇形に…

光線過敏症(コウセンカビンショウ)

光線の照射によって被照射部に丘疹、紅斑、水疱、膨疹などの皮膚症状や関節炎、気管支炎が起こります。紫外線により傷害されたDNAを修復する酵素の先天的欠損によりおこる遺伝性光線過敏症、ポルフィリン代謝異常によりポルフィリン体が蓄積して起こる代…

嚥下障害(エンゲショウガイ)

嚥下は、舌の運動により食べ物を口腔から咽頭に送る口腔期、嚥下反射により食べ物を食道に送る咽頭期、食道の蠕動運動により胃まで運ぶ食道期に分けられ、これらが障害を受けるさまざまな疾患で起ります。脳梗塞・脳出血などの脳血管障害、神経や筋疾患など…

多形紅斑(タケイコウハン)

繰り返し再発する皮膚病で、特徴として皮膚が赤く盛り上がり、射撃の的のように見える皮疹ができます。薬物、感染症、あるいは病気に反応して起こるアレルギー反応が原因となり、症例の約90%は、単純ヘルペスまたはマイコプラスマ感染症を伴います。腕、脚…

白板症(ハクハンショウ)

歯肉や舌などの一部が斑点、もしくは板状に白くなる病気です。白斑と赤斑、紅斑が混在する不均一型は悪化すると口腔癌になりやすといわれています。原因としては、喫煙、過度なブラッシングによる擦過刺激、合わなくなった不良補綴物や充填物、むし歯などの…

胃軸捻転症(イジクネンテンショウ)

胃の異常な回転や捻転によって起こる比較的まれな病気で、主に新生児や乳児に発症します。回転する軸によって、臓器軸性捻転と腸間膜軸性捻転に分類され、横隔膜ヘルニア、横隔膜弛緩症、食道裂孔ヘルニア、遊走脾、無脾症などを合併しやすくなっています。

遺伝性球状赤血球症(イデンセイキュウジョウセッケッキュウショウ)

赤血球の膜を構成する蛋白質の異常により赤血球の形に異常が生じて、溶血がおこる病気です。赤血球膜の骨格をなす物質の欠損が原因で、赤血球が球状になり壊れやすくなるために、貧血、黄疸、脾臓の腫大などがおこります。

遺伝性出血性毛細血管拡張症(イデンセイシュッケツセイモウサイカンカクチョウショウ)

管形成に異常があるため、血管がもろくなって出血しやすくなる遺伝病です。皮膚の下の血管が破れて、赤や紫色の小さな変色部位が生じ、特に顔、唇、口や鼻の中、手足の指の先に現れます。また、消化管、尿路、脳、脊髄などの毛細血管でも出血を起こすことも…

胃痙攣(イケイレン)

突然起こる腹部のけいれん性の痛みのことを呼び、激しい痛みが数分間~数十分間続きます。胃潰瘍、急性胃炎、胃軸捻転、胃粘膜脱、十二指腸潰瘍、胆石症、胆管炎、急性膵炎など消化器系の病気が原因になるほか、ストレス、緊張、神経症などが原因で引き起こ…

軟部肉腫(ナンブニクシュ)

体の軟部組織から発生した悪性腫瘍のこといい、軟部とは、体の肺や肝臓などの実質臓器と支持組織である骨や皮膚を除いた筋肉、結合組織(腱)、脂肪、血管、リンパ管、関節、神経を指します。この腫瘍は、手足、体幹、頭頸部など体のいろいろな部位に発生し…

アテトーゼ(アテトーゼ)

ゆっくり、屈曲した、ねじれるような動作が休み無く起こる、特徴的な異常状態をいい、特に手で激しく不随意的に起こり、片麻痺後の片麻痺舞踏病として知られています。脳性麻痺などの外傷や、線条体・視床下核・黒質・赤核などの障害で錐体外路系の障害によ…

アイゼンメジャー症候群(アイゼンメジャーショウコウグン)

肺高血圧があるために静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが出現するに至った状態をいいます。心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存など、通常は動脈血が静脈側に流れ込む疾患の人が、肺高血圧が徐々に高度となり、静脈血の一部が動脈側に流れ込むよう…

皮膚筋炎(ヒフキンエン)

膠原病の1つで、筋肉が冒される病気です。特徴的な皮膚症状がある場合を皮膚筋炎、ない場合を多発性筋炎と呼びます。全身の筋肉が左右対称性に徐々に障害され、特に上腕や大腿部の筋力低下が強く、階段昇降、椅子からの起立、腕をあげる、着替えなどの動作が…

副腎性器症候群(フクジンセイキショウコウグン)

副腎皮質のはたらきの異常により、生命維持に必要なコルチゾールやアルドステロンの分泌が低下し、男性化作用のあるアンドロゲンが過剰に分泌される病気です。女児の場合は陰核が大きくなり、性器が男性的な外見になりますが、生殖器官(子宮、卵巣、卵管)…

ラクナ梗塞(ラクナコウソク)

ラクナは小空洞を意味し、脳内を走る直径0.2~0.3mm位の動脈が閉塞して、脳内にできた小梗塞をいいます。原因は、加齢、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、脱水などです。無症候性ラクナ梗塞は脳梗塞に罹患したことを自覚できません。一方、片麻痺やしびれ、…

梅毒(バイドク)

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌による慢性の全身性感染症で、症状のある顕性梅毒と症状のない潜伏梅毒に分けられます。感染力のある初めの2年を早期梅毒(1期梅毒、2期梅毒)、それ以降の感染力がなくなる時期を晩期梅毒と呼びます。第1期には、陰茎、外…

尿管結石(ニョウカンケッセキ)

腎盂から尿管、膀胱へと続く尿路のなかにカルシウムやシュウ酸、尿酸などを主成分にして結石ができるものをいい、発症部位により腎結石・尿管結石・膀胱結石に分けられます。肉眼的血尿、脇腹の痛み、下腹部痛などがおこりますが、X線検査・超音波検査など…

高安動脈炎(タカヤスドウミャクエン)

大動脈とその主要分枝や肺動脈、冠動脈に閉塞性または拡張性病変をきたすことから、大動脈炎症候群ともいわれます。さまざまな症状が現れます。原因不明ですが、女性ホルモン、ウイルス、遺伝要因などが考えられています。発熱、めまい、失神発作、頸部痛、…

白血病(ハッケツビョウ)

腫瘍化した造血細胞が無制限に増殖して血液中に出現する疾患の総称です。白血球系の細胞、赤血球系や血小板系の細胞が腫瘍化します。白血病細胞が増加し、正常な血球が減少するため、白血球減少に伴う感染症(発熱)、赤血球減少(貧血)に伴う症状(倦怠感…

感染性心内膜炎(カンセンセイシンナイマクエン)

心臓の弁膜を中心とした内膜に病原体が定着し、そこで増殖して疣贅(いぼ)を形成して周辺の組織を破壊していく疾患です。心臓基礎疾患によって心内膜が傷つけられ、そこに病原体が付着・繁殖することが原因と考えられています。発熱、全身倦怠感、易疲労感…

心臓弁膜症(シンベンマクショウ)

心臓にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態をいいます。弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる狭窄と、弁の閉じ方が不完全なために血液が逆流してしまう閉鎖不全があり、大動脈弁と僧帽弁に多く起こります。弁膜症の原因には、先天性…

骨盤内感染症(コツバンナイカンセンショウ)

骨盤内感染症(Pelvic inflammatory disease : PID)とは、子宮・卵管・卵巣、その周囲にある腹膜や結合組織に起こる感染症の総称です。原因菌として、以前は結核菌や淋菌が多く、近年では大腸菌類・クラミジア感染によるものが増加しています。急性の場合は…

結節性動脈周囲炎(ケッセツセイドウミャクシュウイエン)

中程度の太さの血管の動脈壁に炎症を生じる疾患です。動脈は全身の諸臓器に分布する事から、腎臓・腸・脳・心臓・皮膚などあらゆる臓器症状を起こします。侵される臓器によって長期間の高熱、筋・関節痛、急激な体重減少、腹痛・下血、腎障害、高血圧、神経…