生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

気管支拡張症(キカンシカクチョウショウ)

気管支が部分的に異常な拡張をきたした病態をいい、気管支の浄化作用が低下し、細菌などが繁殖して気管支炎や肺炎などにかかりやすくなります。原因としては、先天性の原発性線毛機能不全症候群など、また後天性のものとしては、気管支繊毛運動の機能異常に…

乾癬(カンセン)

角化過程の異常を主病態とする疾患群の総称で、発疹の上に銀白色の垢が付着し、ポロポロとはがれ落ちる病気です。症状により尋常性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、関節症性乾癬に分類され、尋常性乾癬が全体の9割を占めます。遺伝的素因に外的な…

飛蚊症(ヒブンショウ)

目の前を糸状・小さな粒や丸い輪・半透明といった浮遊物が飛んでいるように見える症状です。紫外線が網膜を通して目に入ると、硝子体中に活性酸素が発生してたんぱく質や脂質が酸化されます。加齢により酵素の分泌が減少し組織の酸化を抑えきれず、硝子体の…

腸閉塞(イレウス;Ileus)(チョウヘイソク)

腸管内容の肛門側への移動が障害される病態をいいます。腸管が閉塞するとガスや腸液により拡張し、静脈還流が障害され腸管壁が浮腫を起こして水やナトリウムが漏出します。その結果、腸管内圧が上昇して動脈血流の障害が起こり、腸管の壊死・穿孔を引き起こ…

精索静脈瘤(セイサクジョウミャクリュウ)

腎静脈から内精索静脈へ静脈血が逆流することにより、陰嚢上部での蔓状静脈叢が怒張・うっ血している状態をいい、男性不妊症の重要な原因の一つとして考 えられています。左側の精巣静脈は右に比べて長く、左の腎静脈へと合流していきますが、還流障害から静…

急性喉頭蓋炎(キュウセイコウトウガイエン)

喉頭蓋とは、ものを飲みこむときに声帯と気管の入り口を閉じる組織です。そこが急激に腫れるため、気道をふさぎ呼吸困難や喘鳴が現れ、腫れがひどいと窒息に至る危険性がある疾病です。細菌感染が原因で、そのほとんどはB型インフルエンザ菌である。

間質性肺炎(Interstitial Pneumonia )(カンシツセイハイエン)

酸素と二酸化炭素の交換に携わる肺胞を支える結合組織に、びまん性におこる炎症で、肺の間質組織を主座とした疾患の総称です。アレルギー・サルコイ ドーシス・膠原病など重篤疾患が原因となることが多く、肺線維症に進行すると呼吸困難や呼吸不全となり、そ…

腓骨筋腱脱臼(ヒコツキンケンダッキュウ)

腓骨筋(長腓骨筋と短腓骨筋)腱が緊張した状態で足関節が内転・内反(回外)させられたときや、背屈・外反時に生じやすく、腓骨筋の過度な収縮が腓骨筋腱を押さえる腓骨筋支帯を超えて、腓骨から脱臼します。先天性の腓骨筋支帯の弛緩・脆弱製や腓骨筋腱溝…

甲状腺機能亢進症(コウジョウセンキノウコウシンショウ)

甲状腺ホルモン過剰により起こる疾患です。大部分はびまん性甲状腺腫瘍を伴い、バセドウ病またはグラーベス病と呼ばれます。抗甲状腺剤、放射線ヨード療法、手術療法が行われますが、薬剤の投与が過剰になれば、逆に甲状腺機能低下症となります。症状は、発…

伝染性単核球症(デンセンセイタンカクキュウショウ)

EBウイルスによる感染で主に唾液を介して感染します。発熱、上気道感染、咽頭・扁桃炎、頸部リンパ節腫脹、肝機能障害が1~2週間続きますが、1ヶ月ほどで自然治癒します。

前立腺肥大症(BPH)(ゼンリツセンヒダイ)

50歳以上の男性に生じ、排尿障害(排尿遅延・尿失禁・夜間頻尿)などをもたらし、膀胱結石や水腎症の原因となりま。肥大が高度になると尿閉(まったく排尿できない状態)や、腎不全の原因となることもあります。

花粉症(カフンショウ)

吸入性アレルゲンによるI型アレルギー反応が関係し、くしゃみ・水性鼻漏・鼻閉を3主徴とする疾患を、鼻アレルギーあるいはアレルギー性鼻炎といいます。そのなかでも症状の好発時期が季節性のものを花粉症と呼びます。主な症状は、くしゃみ、水性鼻漏、鼻…

鼻中隔彎曲症(ビチュウカクワンキョクショウ)

アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎の原因の一つです。鼻閉のために口呼吸やいびき、においがわからないなどの症状があります。鼻中隔を構成する軟骨と骨との成長の差により彎曲します。肥厚性鼻炎を合併していることも多く、手術治療として鼻中隔彎曲症矯正手…

乳腺症(ニュウセンショウ)

卵巣ホルモンの変動に長年さらされた乳腺に生じた経年変化(老化)を総称したものをいいます。病理組織学的には、乳腺間質の線維化、部分的な乳腺の増殖という相反する2つの現象が観察されます。嚢胞が同時に存在することも多く、嚢胞も乳腺症の一種です。

乳腺炎(ニュウセンエン)

乳腺内に乳汁がたまり炎症を起こす事を乳腺炎といい、出産後2週間以内に起こる事が多く、授乳期の細菌感染によって起こる乳腺やその周辺の炎症のことをいいます。授乳中の乳汁のうっ滞によるもので、化膿例では切開手術が行われることがあります。

腰椎分離症(ヨウツイブンリショウ)

腰椎は、前半分の椎体と、後ろ半分の椎弓からなり、椎体と椎弓の間には椎弓があります。その椎弓の部分で腰椎が分離してしまう病態をいいます。腰椎が不安定になる為、神経を刺激して腰痛の原因になることがあります。成人の腰椎分離症は小児期に発生した分…

腹壁ヘルニア(フクヘキヘルニア)

腹の壁の弱い部分から、腹のなかの内臓が腹膜に包まれたまま脱出する状態をいいます。内臓が脱出する部分をヘルニア門、脱出する内臓をヘルニア内容、ヘルニア内容を包む膜をヘルニア嚢と呼びます。最も一般的なものは、腹部の手術部分にみられるもので、腹…

変形性股関節症(ヘンケイセイコカンセツショウ)

関節軟骨の変性や摩耗に始まり、様々な関節変化が進行する疾患です。軟骨の変性・摩耗は、人種、性別、加齢、肥満および遺伝などの素因下に、労働や運動、外傷などの力学的負荷が加わり発生します。さらに機械的負荷により、軟骨細胞の代謝障害が起き軟骨破…

副鼻腔炎(フクビクウエン)

副鼻腔とは鼻腔を取り囲む顔面骨や頭蓋骨の内部にある空洞で、開口はすべて鼻腔に通じており、鼻腔の炎症が副鼻腔に波及したものが副鼻腔炎です。副鼻腔には、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の4つが各々左右にある。副鼻腔炎には慢性と急性があり、症状は…

稽留流産(ケイリュウリュウザン)

子宮内で胎児が死亡してしまい、妊婦に出血や下腹部痛を全く伴わない流産の事をいいます。自覚症状がない為、超音波検査で見なければ発見されない場合もあります。何度も繰り返し起こる場合は、不育症の場合も考えられます。

アトピー性皮膚炎(アトピーセイヒフエン)

乾燥などの刺激に対する過敏さ(敏感肌)とアレルギー反応に関係するIgEをつくりやすい体質(アトピー素因)に、さまざまな環境要因がきっかけとなってかゆみのある皮膚炎が生じ、軽快と悪化を繰り返す慢性の病気です。アトピー性皮膚炎では、皮膚の表面…

潰瘍性大腸炎 (カイヨウセイダイチョウエン)

大腸の主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびらん性非特異性炎症性疾患です。30歳以下の若い成人に多く、持続性または反復性の粘血便・下痢が主な症状で、寛解と再発を繰り返す慢性疾患です。このほか腹痛・食欲不振・体重…

水腎症(スイジンショウ)

尿細管から腎盂、尿管、膀胱、尿道までのどこかで尿の流れが閉塞された状態を尿路閉塞症といい、そのなかで、とくに腎盂よりも下部の尿路閉塞によって腎盂と腎杯の拡張が生じ、腎実質の萎縮を伴う病態を水腎症といいます。先天性は尿路の奇形、また、後天性…

前立腺炎(ゼンリツセンエン)

細菌が尿道から前立腺に侵入して、急性前立腺炎を生じます。血行性あるいはリンパ行性感染もまれに起こることがあります。前立腺肥大と異なり思春期以降の男性に年齢に関係なく起こります。完全に治癒しないと慢性前立腺炎に移行したり、尿閉・副睾丸炎・膀…

眼底出血(ガンテイシュッケツ)

網膜表面の血管の破綻や閉塞することで起こる網膜の出血であり、網膜出血や硝子体出血など、網膜から硝子体に見られる出血を指します。原因として、糖尿病網膜症、高血圧性眼底、網膜中心静脈閉塞症、加齢黄斑変性、網膜裂孔、ぶどう膜炎、動脈硬化、貧血、…

子宮筋腫(シキュウキンシュ)

生殖可能年齢の女性のうち約20%の割合で発生する疾患で、悪性化するのは0.5%以下と極めて稀です。30代~40代に好発するといわれてます。子宮筋層を形成する平滑筋が腫瘍化します。半数以上が無症候性ですが、月経過多、月経困難症、不正出血、不妊、鉄欠…

斜視(シャシ)

両眼の視線が正しく見る目標に向かわないものをいい、外見上は片方の目が正しい方向を向いているのに、他の目が内側や外側、上下に向いている異常です。眼筋の神経支配の異常、眼筋そのものの異常、眼筋附着郡の異常などにより斜視が起こります。また、強度…

巨赤芽球性貧血

巨赤芽球性貧血(Megaroblastic Anemia; MA)とは、骨髄内の血液細胞が増殖し、赤血球が産生される過程に必要なビタミンB12や葉酸が欠乏するために起きます。動悸・息切れ・食欲不振・悪心・便秘などが起こり、疼痛を伴うハンター舌炎も特徴としてあります。ビ…

溶血性貧血(ヨウケツセイヒンケツ)

赤血球が何らかの原因により破壊されたために起きる貧血の総称であり、先天性(遺伝性)のものと後天性のものがあります。先天的なものは赤血球膜・赤血球酵素・ヘモグロビンの異常、赤血球自身の異常により赤血球が破壊されやすくなります。後天的なものは…

再生不良性貧血(サイセイフリョウセイヒンケツ)

再生不良性貧血(aplastic anemia)とは、骨髄において血球産生能が低下する為、赤血球・白血球・血小板系統のすべてが低下する汎血球減少症を指します。原因が不明な原発性再生不良性貧血と、放射線・抗ガン剤、鎮痛薬、抗生物質などによる2次性再生不良性貧…