生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アーノルド・キアリ奇形(アーノルド・キアリキケイ)

脳の奇形の一種で、後頭部にある小脳や脳幹の一部が、頭蓋骨から脊椎に落ち込んだ状態になる事をいいます。先天性は妊娠中に後頭骨から上部頸椎の骨の形成異常によって起き、後天性は出生時の外傷によって頭蓋骨が変形することによって起きます。水頭症及び…

アダムス・ストークス症候群(アダム・ストークスショウコウグン)

急に発生した極端な徐脈・心停止・頻脈のために、心臓から脳への血液の供給が大きく低下したり停止して、脳の酸素低下を来した状態をいいます。脳の虚血 症状が突然に現れ、程度は徐脈では心臓が停止している時間の長短に、頻脈では脈拍数と頻脈持続時間によ…

悪性黒色腫(アクセイコクショクシュ)

皮膚に発生する皮膚がんの一つであり、その中でも最も悪性度が高い疾患です。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生するメラノサイト、あるいは母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられています。単に黒色腫またはメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚のど…

アデノイド(咽頭扁桃増殖症)(アデノイド・イントウヘントウゾウショクショウ)

咽頭扁桃の肥大が原因で、鼻や耳、のどなどに慢性の炎症を引き起こす事をいいます。鼻詰まりや鼻呼吸の障害による口呼吸、夜間のいびきや睡眠時無呼吸症候 群、鼻水の排泄障害による鼻炎や副鼻腔炎の慢性化が起こります。また、全身的にも影響を及ぼし、耳管…

肺アスペルギルス症(ハイアスペルギルスショウ)

免疫抑制状態にある人が、大気中に浮遊するアスペルギルス菌体を吸入することにより感染します。その病態によって、肺アスペルギローマ、侵襲性肺アスペルギルス症、慢性壊死性肺アスペルギスル症などに区別されています。過去に肺の病気によって形成された…

LGL症候群(Lown‐Ganong‐Levine syndrome)(エルジーエルショウコウグン)

LGL症候群(Lown‐Ganong‐Levine syndrome)は、洞結節で生成された刺激信号の伝導経路の中で、本来なら興奮を遅延して伝達するべき房室結節部をバイパスする副伝導路ができてしまい、興奮が本来の伝導 路を経由せず、短時間で短絡的に副伝導路を通過して…

遠視(エンシ)

眼に入ってきた光は角膜・水晶体を通過して網膜に到達しますが、遠視では眼の奥行きの長さ(眼軸)が短いことが多いため、網膜よりも後ろにピントが合う状態になります。眼精疲労、頭痛・眼痛、集中力に欠ける、といった症状が出て、特に小児の場合は内斜視…

エキノコックス症(エキノコックスショウ)

エキノコックスという寄生虫によって引き起こされる感染症の一つです。キタキツネやイヌ・ネコ等の糞に混じったエキノコックスの卵を水や食物などからヒト が経口感染する事によって起こる人獣共通感染症で、卵は人の体内で幼虫になり、肝臓に寄生します。肝…

円形脱毛症(エンケイダツモウショウ)

脱毛の原因としては最も多い疾患であり、自己免疫の異常やストレスが原因と考えられています。かゆみや痛みなどの自覚症状はなく、頭の毛が円形に突然抜けてしまいます。アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患や自己免疫性疾患などと合併する頻度が高くな…

好酸球肉芽腫

好酸球肉芽腫(eosinophilic granuloma)とは、血液を作る骨髄細胞のうち、組織球のランゲルハンス細胞と呼ばれる大型の細胞が増殖した病気です。顕微鏡下で組織を見ると、この組織球のまわりには好酸球が増えるのでこの病名がついています。この好酸球はエオ…

ウェゲナー肉芽腫症(ウェゲナーニクガシュショウ)

鼻と肺に肉芽腫を認め、同時に全身の血管炎と壊死性半月体糸球体腎炎を示す疾患です。原因不明の全身血管の炎症による病気の一つで、免疫の異常が病気の成り立ちに重要な役割を果たしています。発熱・食欲不振・倦怠感・体重減少などの全身症状とともに、膿…

敗血症(ハイケツショウ)

肺炎や腎盂腎炎など生体のある部分に感染を起こしている場所から、血液中に病原体が流れ込み、重篤な全身症状を引き起こす症候群です。発熱が最も主要な兆候ですが、重症の場合には逆に低体温になることもあります。すなわち心拍数や呼吸数の増加もみられ、…

疫痢(エキリ)

赤痢菌が腸に感染することが原因で起こる感染症です。小児にみられる細菌性赤痢の重症型で、循環不全(血圧の低下、意識障害など)を起こすと短期間に死亡します。熱帯や亜熱帯地域への海外旅行などで、赤痢菌が混入した物を飲食する事により感染します。

くも膜下出血(クモマクカシュッケツ)

脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜の3枚の膜で覆われており、くも膜の下にはある脳脊髄液の部分に出血した状態をいいます。脳の動脈がこぶのようにふくれて破裂する脳動脈瘤破裂が最も多く、次に脳動静脈奇形からの出血、頭部外傷によるものがあります。頭痛…

抗利尿ホルモン分泌異常症(SIADH)(コウリニョウホルモンブンピツイジョウショウ)

抗利尿ホルモン分泌異常症とは、下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone; ADH)の分泌調節機能が損なわれ、抗利尿ホルモンの分泌が抑制されない状態をいいます。体液の体内貯留と低ナトリウム血症を生じさせます。血中ナトリウムの低下により意…

エンプティセラ症候群(エンプティセラショウコウグン)

頭蓋骨底部にあるトルコ鞍が拡大し、脳下垂体がトルコ鞍から後方に押し出された病態です。脳周囲の脳脊髄液を正常に保つ保護組織に欠損があります。肥満と高血圧のある中年女性に多く発生しますが、ほとんど症状はありません。エンプティセラ症候群患者の下…

胃石(イセキ)

一部消化された物質やまったく消化されない物質が集まって固まったもので、胃その他の消化管にみられます。部分的に消化された毛髪や果物や野菜の繊維が集まってでき、ほとんどの場合は無症状ですが、消化管の管腔を部分的または完全にふさいでしまうと、け…

ウィルソン病(ウィルソンビョウ)

ウィルソン病(Wilson Disease)とは、銅による代謝異常であり肝障害・神経障害・精神症状などの病状を呈する疾患です。反復性の黄疸・自己免疫性肝炎・劇症肝炎・慢性肝疾患などの肝障害、振戦・微細な運動調節の困難・舞踏病様運動などの運動異常や、仮面様…

胃切除後症候群(イセツジョゴショウコウグン)

胃切除手術後の食物貯留機能障害に起因する病態をいいます。胃もたれ・吐き気・嘔吐・腹痛などの小胃症状、胃の出口である幽門が切除され、胃の内容物を十二指腸に送り出す機能が消失されるために起きるダンピング症候群などがあり、その他にも逆流性食道炎…

不随意運動(フズイイウンドウ)

自分の意思とは関係なく現れる異常運動のことをいいます。脳梗塞、脳出血、神経変性疾患などにより大脳基底核などの錐体外路の障害、薬の副作用などでおこり、原因不明のものもあります。

泉熱(イズミネツ)

発熱、腹痛、発疹、下痢などを伴う病気で、山の湧き水、井戸水などの生水を介して偽結核性エルシニア菌に感染することによりおこります。冠動脈瘤や腎不全などの合併症をおこすこともあります。

日光角化症(ニッコウカクカショウ)

日光角化症は、高齢者の顔面などの露光部に好発します。原因は、中波長の紫外線によってDNAに傷ができて起こると考えられています。 その他に耳介、前腕、手背部の皮膚に好発します。皮膚癌の前駆病変とはいっても実際に上皮内癌や浸潤癌に発展する例は数…

無症候性血尿(ムショウコウセイケツニョウ)

少量の血液が絶え間なく、または間欠的に尿に漏れ出るのを特徴とする糸球体の病気です。蛋白尿等のその他の尿の異常を併発せずに血尿がおこります。血尿は尿中に赤血球がみられることであり、尿は赤色・血液様または顕微鏡的血尿の場合があります。原因は年…

萎縮性胃炎(イシュクセイイエン)

慢性胃炎が長く続いた結果として、胃の粘膜が萎縮した状態をいいます。胃が退色し、粘膜の下にある血管が透けて見えるようになり、大半がヘリコバクター・ピロリ菌によって引き起こされます。萎縮が進行すると、胃粘膜が大腸や小腸の粘膜に似た粘膜となり(…

陰嚢水瘤・精索水腫(インノウスイシュ・セイサクスイシュ)

精巣、精巣の血管および精管をおおっている鞘膜に液体がたまった状態です。陰嚢部の鞘膜にたまった場合が陰嚢水腫で、それより頭側の精索部にたまった場合が精索水腫といいます。それぞれ陰嚢、陰嚢上部や鼠径部がはれてきます。

医原病(イゲンギョウ)

医療行為が原因で生ずる疾患のことを指します。原因としては、医療器具、医薬品、医療材料の他にも、医師による誤診、医療過誤(不適切な薬物選択、不適切・未熟な手術、検査など)、院内感染等々が挙げられます。ASSUMEへ 知識労働者日記へ

胃腸神経症(イチョウシンケイショウ)

上部・下部の消化管症状を強く訴えるにもかかわらず、いかなる検査をしても器質的な異常を認めない場合に用いられてきた診断名です。神経性胃炎・神経性下痢・慢性腸炎・腹部不定愁訴症候群などとも呼ばれます。むねやけ、腹痛、下痢、腹部膨満感などのさま…

胸筋合併(定型)乳房切断術(ハルステッド手術)

乳房の悪性腫瘍を切除する目的で患側の乳房・大胸筋・小胸筋・腋下リンパ節を切除する方法です。従来、乳癌根治術の標準術式でした。切除面積が大きく術後の傷跡も目立ち、リンパ液の流れが悪くなることによる患側上肢のむくみなどの後遺症もありました。そ…

豹紋状眼底(ヒョウモンジョウガンテイ)

豹紋状眼底は眼底の色素が少ない状態です。近視が進むと眼球が引き伸ばされ、薄くなった網膜の下の血管が見えてきます。眼底検査でそれが豹柄のように見える状態です。強度近視には注意が必要です。