生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

好酸球肉芽腫

好酸球肉芽腫(eosinophilic granuloma)とは、血液を作る骨髄細胞のうち、組織球のランゲルハンス細胞と呼ばれる大型の細胞が増殖した病気です。顕微鏡下で組織を見ると、この組織球のまわりには好酸球が増えるのでこの病名がついています。この好酸球はエオジンという染色液によく染まる赤い細胞質と分葉核が特徴です。通常はひとつの骨病変として、とくに10歳以下の子どもに発生します。臨床症状としては、その単一骨病変の痛みをうったえ、X線写真では時に悪性骨腫瘍や骨髄炎に似ることがあります。予後は良好で自然消退が期待できますので、診断が重要になります。というのもレッテラール・ジーベ病、ハンド・シェーラー・クリスチャン病と呼ばれる全身症状を伴う疾患との鑑別が重要です。これら3つの病気はまとめてランゲルハンス(Langerhans)細胞組織球症と呼ばれます。