生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

新生児ループス症候群(シンセイジループスショウコウグン)

新生児ループす症候群とは、母親の自己抗体が胎盤を介して、胎児および新生児に障害をあたえる後天性の自己免疫症候群です。主な症状としては心臓の伝導障害・皮膚症状・肝機能障害・血液障害などがあります。心症状以外の症状は、一過性かつ可逆的な障害で生後1年までに自然に治癒します。

自己抗体はシェーグレン症候群やSLEなどの膠原病に多くみられる抗SS-A抗体と抗SS-B抗体が注目されており、その発症機序は不明ですが、それらの自己抗体が妊娠中に胎児の心臓の刺激伝導系を傷害するのではないかと考えられています。原因について現在も研究中ですが、妊娠に際して血漿交換療法などによる予防的治療も試みられています。