生命保険のための医学知識

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トルーソー症候群(トル-ソ-ショウコウグン)

トルーソー(Trousseau)症候群とは、潜在性の悪性腫瘍の遠隔効果により神経症状を生じる傍腫瘍性神経症候群の一つで、悪性腫瘍に伴う血液凝固亢進により脳卒中症状を生じる病態です。そのため疾患の治療と抗凝固療法が必要となります。

原因となる悪性腫瘍は固形癌が多く、その中では婦人科腫瘍が最も多くなっています。その他、肺癌・消化器癌・腎臓癌・前立腺癌などがあります。また脳卒中は大脳皮質に多発する梗塞が多く、血液凝固マーカーの上昇を認ます。脳卒中の原因とし非細菌性血栓性心内膜炎による心原性脳塞栓が最も多く、ついで血管内凝固による微小血栓・塞栓、深部静脈血栓症を併発した卵円孔開存による奇異性脳塞栓症、脳静脈洞血栓症、腫瘍塞栓などがあります。