生命保険のための医学知識

生命保険、医療保険の引受や支払に関係する医学知識を都度書いてます。

縦隔腫瘍(ジュウカクシュヨウ)

縦隔内に発生した腫瘍をいい、上縦隔には甲状腺腫が、前縦隔には胸腺腫と奇形腫、中縦隔にはリンパ性腫瘍・気管支嚢腫・心膜嚢腫が、後縦隔には神経性腫瘍が発生しやすくなっています。発生年齢も悪性度も良性からがんまで多様です。発生頻度は胸腺腫が最も多く、次いで奇形腫、神経性腫瘍となっています。縦隔腫瘍の約半数は無症状のため、健康診断などの胸部X線検査で偶然発見されます。腫瘍の増大により気道や食道への圧迫・浸潤を起こし咳・血痰・呼吸困難・嚥下障害などを引起します。その他浸潤する部位により神経痛・上大動脈症候群・重症筋無力症など様々な症状を引起します。治療は早期手術が原則ですが、悪性リンパ腫であれば、抗がん化学療法が行われます。