生命保険のための医学知識

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低酸素性脳症

低酸素脳症とは、心臓などの循環器や肺などの呼吸器が不全となり、脳に十分な酸素供給ができず、脳機能に障害が起きた状態をいいます。低酸素脳症には、通常、組織への血流量の低下(虚血)と血液の酸素運搬能の低下(低酸素血症)の2つの病態が混在していることが多いです。このため低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy)とも呼ばれます。

低酸素脳症は、心筋梗塞、心停止、窒息、各種のショックなどが原因で起きます。脳への酸素供給が心停止により3~5分以上途絶えると、呼吸が再開しても重い脳障害が生じるため、素早い蘇生が重要と考えられています。