免疫介在性ニューロパチー
免疫介在性ニューロパチー(immune-mediated neuropathies)とは、末梢神経の構成成分に対する自己免疫機序によるニューロパチーです。急性のギランバレー(Guillain‑Barrə)症候群、 慢性の慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー (Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy; CIDP)や IgMパラプロテイン血症をともなうニューロパチーなどが あります。その他、悪性腫瘍に随伴して起こる傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndrome;PNS)の1つとも考えられます。これは悪性腫瘍の遠隔効果つまり免疫 介在の機序によって起こる神経筋疾患です。
隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)
隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans; DFSP)は、まれなタイプの悪性新生物である軟部肉腫の1つで、皮膚の深層から発生します。中年以降の男性に好発する悪性新生物です。
インターロイキン
インターロイキン(interleukin)とは、白血球から分泌される生理活性物質(サイトカイン)で、細胞間コミュニケーションの機能の役割を果たします。ILのあとにタンパク質として同定された順に番号を付けて呼びます。主として、免疫系細胞間のコミュニケーションに役立っています。
乳房再建術(広背筋皮弁法・腹直筋皮弁法)(K476-3)
乳がんなどのため乳房切除を受けた後、自家組織を移動することにより失った乳房を再建させる手術です。広背筋皮弁法は背中の皮膚と筋肉を乳房切除が行われた場所に移植します。背中の筋肉は薄く脂肪も少ないため人工乳房を併用します。腹直筋皮弁法では腹部の2つ腹直筋のうち一つまたは両方の皮膚と脂肪を乳房に移植します。出血も多く身体的負担が大きい手術ですが、乳房の仕上がりは自然です。
上腸間膜動脈解離
上腸間膜動脈解離は、40〜50歳代男性に好発し急性腹症を呈する疾患です。
カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は口腔カンジダ症、モリニア症とも呼ばれ、口の中で、カンジダという真菌の一種が増殖することで起こる口内炎です。カンジダ性口内炎は真菌に属している「candida albicans」が、口の中の粘膜の表面に増殖することで起こる口腔粘膜感染症で、口の中で起こるカビが原因の病気の中では最も多い疾患です。「candida albicans」は、口腔内の常在菌で、病原性は低く、健康な人がカンジダ性口内炎になることは、希です。カンジダ性口内炎は、糖尿病や血液疾患、悪性腫瘍、エイズなどの何らかの基礎疾患がある人や、身体の抵抗力の低い乳幼児や高齢者、妊婦などに発症するといわれています。また、抗生物質などの薬での治療により、口の中の常在菌のバランスが崩れることが原因で発症することもあります。
カンジダ性口内炎の症状は、頬の内側や口の天井部分である口蓋、舌などに、白い苔のようなものが点状や粉状、地図状に出てきます。食べる時などに痛みがあり、白い苔は、ガーゼなどで触れると簡単に剥がれ、剥がれた後は、赤く炎症を起こしたり、出血が見られることもあります。白い苔は、悪化すると剥がれにくくなっていきます。また、口の中が赤くただれるびらんが起こり、痛みが伴う場合もあります。これは、抗生物質やステロイドを長期的に使用することで、口の中の常在菌のバランスが崩れると、菌交代現象を起こすことで起こります。口の中にできた白い苔を剥がすことでこの症状を引き起こすこともあります。
カンジダ性口内炎の治療は、抗真菌剤を含む薬でうがいをしたり、軟膏をつけるなどをおこないます。基礎疾患がある場合は、基礎疾患の治療もおこない、抗生物質やステロイドが原因の場合は、薬の使用を止めたり、量を減らす対処をします。抵抗力が落ちている場合は、栄養補給などで抵抗力を回復します。乳幼児がカンジダ性口内炎になった場合、口の中の痛みなどにより、食事や水分摂取量が減ることがありますので、特に注意が必要です。